介護の世界に入ったきっかけと、介護への思い。

プロフィール欄に書いてあること以外の、私の自己紹介をしてみようと思います。

大学時代は文学部でしたが、一般教養の授業でボランティア募集があり、
脳性麻痺の方の訪問介助を始めたのが介護や福祉の道に進むきっかけとなりました。

大学卒業後は違う道を志したのですが挫折してしまい、やっぱり介護をとの思いでこの道に。

きっかけは障害者福祉の世界に触れたことでしたが、改めて介護を志すにあたり、
「全然違う」と言われた高齢者介護の世界に進みました。
「人が人を支えるという根本は同じなんじゃないか」と思ったのです。

先述の通り、初めていわゆる「介護」を経験したのは、
脳性麻痺の状態で在宅生活を送る方へのボランティアでした。
そこで、面白さを感じて通い続けるうち、当事者の方から
「資格とってバイトとしてうちに来てよ」とお誘いいただき、
重度訪問介護の研修を受けてアルバイトで訪問するようになりました。

初めて介護ボランティアに行った時は、なかなかに衝撃的でした。
まず教わったのは、
「うちは家政婦さんに来てほしいんじゃない」
ということでした。

当事者が、頼んだことを、頼んだように、頼んだ時にやってほしい。
先回りしてちゃっちゃと家事をすませたりするのではなく。

「生活の主体はあくまでも私(当事者)であり、
その結果家事が非効率だったり不十分でもそれが私の生活である」
という考え方です。

介護者は徹底してその人の手足であることを求められました。
(もちろん介護者は一人の人としてとても大事にしてくれました)

当時のその人(脳性麻痺の状態)が求めていた介護は、
その人の障害特性から、「手足となること」だったのだと思いますが、
この体験は、後に認知症の状態にある方の介護にあたった際にも活きていたと思います。

認知症という状態にある方の介護だと、手足のみならず、目や脳であることを時に求められます。

そこでもやはり、介護者である私があるべきは
「その人の」手であり足であり目や脳なのだと思います(理想は、ですが)。

QOLも大事ですが、幸福や不幸を先回りして考えすぎないように、
「私(介護者)はツールであり利用者の身体の延長にすぎないんだ」と心がけています
(まだまだですが)。